【経営】【税法】節税(法人版)

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節税とは

 個人や企業が合法的かつ適切な方法を用いて税金負担を軽減することを考えます。税金を節約するために節税プランを立てたりすることが必要となります。ここでは中小企業に効果的な節税方法を記載していきます。

手軽な節税5選

1⃣経営セーフティ共済の活用

「経営セーフティ共済」は、取引先の倒産などで売掛金が回収できなくなった時に事業資金を借入れできる共済制度です。自己都合で解約する場合には、解約返戻金が課税になるものの合法的に節税できます。

 ただし、使い方を考えずに使用するとただの課税の繰延ですので注意が必要です。

資本金が1億円以下の法人等で課税所得が年800万円以下は15%の法人税率(法人税のみ)が適用されます。そして、年800万円を超える場合は23.20%の法人税率(法人税のみ)が適用されます。

ここがポイント。

この23.20%が適用されるのであれば、経営セーフティを活用して、多額の赤字が出たときに解約すれば益金の額(収益計上みたいな効果)に算入しても法人税は課税されませんので節税効果が高いです。また、資産計上しながら、損金の額(費用計上みたいな効果)に計上できるので貸借対照表を見栄え良くすることもできます。(融資の際に優位に)

例)赤字が200万円で解約金額が300万円の場合は差額100万分について課税されますがそれでも23.20%ではなく15%になるため、それなりの節税効果はあります。800万円以上の赤字の時に800万円解約すれば差額は0円となり、課税されませんのでかなりの節税効果があります。

※注)累積の積立金額は800万円が限度で年間240万しか損金(費用計上みたいな効果)に計上できません。(年払いと月払いは選択可能ですが選択の期限あり)また、40か月以上の加入で初めて解約時の返戻率100%になるため、資金繰りが厳しく途中解約が必要になる場合は元本割れする可能性があります。

2⃣旅費規定を設ける

 出張旅費規定を整備した上で日当を支給すると、その金額は通常の給与と異なり、非課税所得として取り扱われます。法人税を発生させずに会社から個人へ資金を動かすことができるため、出張が多い会社であれば大きい節税効果を得ることができます。(頻度も金額も常識の範囲内ですが)
一方で、出張旅費規定を作成していなければ、出張日当は給与として扱われ、役員報酬については損金算入がされないと扱われるため注意が必要です。

※注)日当を非課税所得として取り扱うには①から④を満たす必要があります。

①対象者は全社員にする

②出張旅費規定の意思決定機関(株主総会など)での承認

③支給金額の設定の妥当性

④出張報告書の作成

3⃣決算賞与を支給する

 決算賞与は通常の賞与と異なり、決算の前後に支払われますが、通常の賞与と同様に、損金計上として認められます。そのため、予想外に利益が上がり決算前に急いで節税対策をするといった場合に使われます。

このように、決算直前に決算賞与の支払いを決定する場合が多いため、資金繰りが間に合わないこともありますが、未払いであっても、要件を満たすことで今期の損金に計上できます。

※注)未払が損金として認められるには①~③を満たす必要があります。

①事業年度終了の日までに支給額を、同じ時期に支給する全従業員に対して各々通知していること
②通知した金額を、事業年度終了の日の翌日から1カ月以内に全額支払うこと。
③通知した金額について今期中に損金として経理上の処理をしていること

なお、以下の場合は上記を満たしても、今期に損金扱いはできません。

決算賞与の通知をしたが支払いを受けられない人がいる場合

決算賞与は在籍者のみに支払うと決めている場合

決算賞与の通知と異なる額の支払いを受けた場合

4⃣決算月を変更する

 売上(利益)が多い月を決算月にしてしまうと利益予想を正確に作成することができません。決算月はできるだけ売上(利益)が少ない月(閑散月)にすれば利益を予測しやすく対策も効果的にすることができます。

※手続きについて以下の手続きをすれば決算月は変更できますので検討してください。

定款を変更する

臨時株主総会を開く

異動届出書を提出す

5⃣少額減価償却資産の特例を活用する

 少額減価償却資産の特例とは、正式には「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(※以下「少額減価償却資産の特例」)といい、中小企業者等が取得した30万円未満の減価償却資産については、全額損金算入できるとする制度です。

本来、建物や車両など取得価額が10万円以上の固定資産を購入した時には、その資産を全額損金とすることはできません(ただし、10万円以上でも使用できる期間が1年未満であれば全額損金可)。これを減価償却資産といい、耐用年数(その資産の使用可能年数)に応じて、毎年費用を計上する必要があります。しかし、中小企業者等の場合には、取得価額が30万円未満の減価償却資産については、全額を損金算入することができます。

適用対象資産は、令和6年3月31日までの間に取得等をして事業の用に供した減価償却資産で、取得価額が30万円未満のものであるものが対象です。ただし、一事業年度において、この特例の適用を受けられる減価償却資産は、最大で300万円までが限度です。

※注)資本金1億円以下の法人で常時する従業員が500人以下など適用できる法人に限りがありますのでご注意を。

最後に

今回は手軽な節税を記載しました。

営業時代に上司からよく「生きたお金を使え」と言われていました。税金を減らすという目的で節税をするのではなく、売上を伸ばすために節税するという考えが最も大事かと考えています。

ご自身で判断せず、顧問契約している税理士に相談しながら検討してみてください。

弊社事務所であれば、毎月の訪問でこのような話をします。いつでも気軽に相談を。

※この記事は2023年7月24日時点で作成しております。改正等があった場合は適用できないものもございますのでご理解の程宜しくお願いします。

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この記事を書いた人

1985年生まれ。

「まずは自分でやってみる」をモットーに行動しています。
仕事は人の役にたつことを!
趣味は自分がやりたいと思ったことを!
最後は楽しいか楽しくないかで判断している開業税理士です。

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